還り行く道―「フォーリン・エンジェル」と「ライジング・スター」は高速車線を走っているのか

4 分間で理解する 8 9月 21

ハイイールド債券市場とその市場内のフォーリン・エンジェル債は、投資適格債券に比べ今後も堅調が見込めると考えています。これは、2020年初頭のパンデミック発生に伴い社債市場が大きく下落し、その後ハイイールド債が力強い回復を遂げたことを考慮したうえでのM&Gの見方です。

ハイイールド債市場からの追加的リターン

社債市場においてフォーリン・エンジェル債は、ハイイールド債市場内で少しでも高いリターンを求める投資家にとって、引き続き魅力的な投資機会を提供していると考えています。「フォーリン・エンジェル」とは、発行時の格付けが投資適格級であったものが投資不適格(BBB- 未満)に格下げされた発行体です。2020年2月に新型コロナウイルス感染症が先進国で急拡大したときのグローバル・フォーリン・エンジェル債指数(ICE BofA Global Fallen Angels 指数  “HWFA”)に含まれる債券の合計額は、額面ベースで2,090億米ドルでしたが、格付会社がフォードやクラフト・ハインツなどの発行体を相次いで格下げしたことにより、2020年末には額面で5,090億米ドルにまで拡大しました。2021年7月時点では、やや減少しましたが、それでも4,720億米ドルにとどまっています。

「フォーリン・エンジェルには、債務水準に関しては投資適格企業とそれほど違わない企業も多く存在しており、既存債務と将来の借入れのコストを可能な限り抑えることが、投資適格級を一刻も早く再取得する動機になっています」

過去の実績を見ると、欧州のフォーリン・エンジェル債のリターンは欧州投資適格債、欧州BBB格債インデックスを上回っており、またフォーリン・エンジェルが含まれる欧州BB格債をも上回っています。米国経済の回復が欧州に先行していることを反映して米国のフォーリン・エンジェル債が通常よりも高いリターンを達成していることに支援され、グローバル・フォーリン・エンジェル・インデックスは、さらに好調に推移しています。フォーリン・エンジェル企業の経営陣は債務残高の大きさから、投資適格を迅速に再取得するための高い意欲を持っていると考えます。

投資適格級に格上げされるための道筋

ハイイールド債市場における投資機会には、企業のファンダメンタルズが改善し、投資適格に格上げされる可能性のある発行体も含まれます。このような「ライジング・スター」企業を発掘することにより投資機会はさらに拡大しますが、そのためには、詳細な信用調査を行うことにより、格上げされる潜在性を持ち合わせた企業を、格付会社に先だって特定する必要があります。M&Gは投資適格に格上げされる潜在性のあるBB格の企業を多く発見しています。このような企業は、長引く量的緩和政策下の債券購入プログラムにより、割高になっている多くのBBB格の債券と比較して、一般的に魅力的な価格であると考えられます。ハイイールド債の格上げ社数 / 格下げ社数の比率は足許で急速に上昇しており、過去10年で最高になっています。

他の社債に比べてフォーリン・エンジェルとライジング・スターが良好なパフォーマンスを上げてはいますが、ハイイールド債全般に関しても、スプレッドはさらに低下する余地があると考えています。2020年3月に欧州BB格のスプレッドは、欧州BBB格社債(除く金融)指数のスプレッドをほぼ400ベーシスポイント(bps)上回る 650 bps超に達した後、低下傾向となりましたが、それでも依然としてBBB格社債(除く金融)指数のスプレッドを100bps上回っています。このことは、市場がフォーリン・エンジェルとライジング・スター企業が将来的に格上げされることをまだ完全には織り込んでいないというのがM&Gの見方です。

投資適格にいち早く格上げされる可能性が高い企業を特定することは、魅力的なリターンの獲得につながる可能性があります。クレジット・リサーチを重要視する運用機関は、格付会社による格上げより先にこのような企業を特定することで投資の好機を捉えることができると考えています。

今後の見通し

格上げが頻繁に行われる環境下では、格上げの可能性があるBB格の債券はますます魅力的になると考えます。

投資元本は変動し、投資から得られる利益は上昇することもあれば、下落することもあり、お客様の投資元本は保証されません。

本項に記載されている内容は現時点におけるM&Gの見解であり、投資に関する推奨、助言に該当するものではなく、また将来の状況やパフォーマンスを予測するものではありません。

当資料は、一般的な情報提供を目的としており、金融商品取引業登録に基づく業務又は当社関連会社が組成するファンドの持分等の勧誘を目的としたものではありません。

債券運用戦略についてもっと調べる

もっと見る