LIBOR (とその他のIBOR)

20 分間で理解する 1 12 19

*サマリー:*ロンドン銀行間取引金利であるLIBORは廃止されます。LIBORとその他のほとんどの通貨の銀行間取引金利 (IBOR) は、より信頼性の高い代替指標金利に置き換えられます。LIBORを使用し続ける通貨に関しては、内容に修正が加えられる予定です。

2021年末までに、各IBORは新しい指標金利に置き換えられます。各国の金融規制当局は、業界のワーキンググループと緊密に連携して、代替となる指標金利を特定する作業を進めています。例えば英国では、英ポンドLIBORの代わりにSONIAと呼ばれる翌日物平均金利 (Sterling Overnight Index Average) が使用されることになります。米国では、担保付翌日物調達金利 (Secured Overnight Financing Rate [SOFR]) が米ドルLIBORに取って代わります。

変更の目的とタイミング

各国の規制当局は、各国中央銀行が管理する指標金利算出プロセスの透明性、測定性、及び信頼性の向上を促進させながら、可能な限り、実際の市場取引に基づいた金利を用いたいと考えています。
 
世界金融危機以降、銀行間貸出が大幅に減少したことを背景に一部のLIBOR金利の信頼性に疑義が生じたため、規制当局は指標金利の変更を実行することに踏み切りました。パネル行は、今でも各種LIBOR金利を提供していますが、取引量は減少しています。過去に生じた指標金利決定にまつわるスキャンダルを契機に、現在では金利決定プロセスは公式機関による厳しい監視下にありますが、それでもLIBORに対する評価は低下したままです。
 
規制当局は、2021年末までに新指標金利に移行することを求めています。移行プロセスは進行中で、ほとんどの通貨で新たな指標金利が既に特定されており、最終期限を待たずにすべての通貨の移行が、単に可能であるばかりでなく、実行に移される可能性が非常に高いと思われます。
 
このように移行に長い期間を設けた理由の1つは、変更の影響を受ける当事者に移行を円滑にするための相応の時間を与え、市場参加者への影響を最小限に抑えることです。理想的には、変更のプロセスの透明性が高く、借り手、貸し手、投資家に、ほとんど、あるいは全く影響を与えないことです。
 
当社は、移行作業の進捗状況と移行に伴う影響に関する情報を定期的に更新する予定です。
 

移行の概要

各通貨のワーキンググループは、推奨リスクフリーレート (RFR) を既に特定しています。主なものは次のとおりです。
 
  • 英ポンド:ポンド翌日物平均金利 (Sterling Overnight Index Average [SONIA]) がLIBORに代替される。SONIAは20年以上、英ポンドのオーバーナイト・インデックス・スワップ市場で使用されており、最近では融資の基準金利として使用されることが増加。
  • 米ドル:有担ベースの担保付翌日物調達金利 (Secured Overnight Financing Rate [SOFR]) が米ドルLIBORに代替される。SOFRは当面米ドルLIBORと平行して使用されるが、最終的には米ドルLIBORに代替される。SOFRは米国債のレポ市場の取引に基づいており、2014年から存在しているが、公式に公表されるようになったのは2018年4月。
  • ユーロ:ユーロ短期金利 (€STR [ESTR]) 及びEuribor。欧州中央銀行は、ESTRをユーロ圏無担保翌日物平均金利 (EONIA) に代わる指標金利にすることを発表。Euriborに関しては、現在欧州当局は、他指標で置き換えるのではなく、内容に修正を加え使用を継続する方針。
最近までの動向
 
パネル行がLIBOR金利を提供するという合意は、2021年12月31日で終了します。この問題の解決に向けたこれまでの進展と重要な中間目標項目は以下のとおりです。
 
  • 2018年4月:1997年に使用開始されたSONIAの内容が、イングランド銀行によって修正される。ニューヨーク連邦準備銀行によるSOFRの公式公表が開始。
  • 2018年9月13日:ESTRがEONIAの代替RFRとして推奨される。EONIAは2022年1月3日以降使用しないことが決定される。
  • 2019年10月2日:ESTRをECBが初めて公表。前日の取引実績を反映。
現在の指標金利と代替金利
 
現在の指標金利 予定される代替指標 公表開始日
(代替指標として)
代替候補監督機関 移行日 代替候補監督機関 移行日
英ポンドLIBOR 英ポンド・ロンドン銀行間取引金利 SONIA ポンド翌日物平均金利 (無担保) 2018/4/23 イングランド銀行 2021/12/31
米ドルLIBOR 米ドル・ロンドン銀行間取引金利 SOFR 担保付翌日物調達金利 (有担保) 2018/4/3 ニューヨーク連銀 2023月6月30日
(ただし、1週間
物と2か月物は
2021年12月31日) 
EURIBOR ユーロ・銀行間取引金利 EURIBOR 修正EURIBOR 時間を要した修正作業は2019年末に完了 欧州マネーマーケット協会 N/A
EONIAと
EUR LIBOR
ユーロ圏無担保翌日物平均金利 / ユーロ・ロンドン銀行間取引金利 ESTR ユーロ・短期金利 (無担保) 2019/10/2 欧州中央銀行 2021/12/31
スイスフランLIBOR スイスフラン・ロンドン銀行間取引金利 SARON スイス翌日物平均金利 (有担保) 2017/12 スイス証券取引所 2021/12/31
円 LIBOR と TIBOR 円・ロンドン銀行間取引金利 / 東京銀行間取引金利  (TIBOR)   (デリバティブのみ) TONAR 無担保コールオーバーナイト物レート (無担保) / TIBOR 2016/12 日本銀行 2021/12/31

 

注)カナダドル (Canadian IBOR [CDOR])、香港ドル (Hong Kong IBOR [HIBOR])、シンガポールドル (Singapore IBOR [SIBOR])などの通貨は、過去において各IBORを指標金利とした銘柄を保有した実績がないため、ここでは記載していません。
 
投資元本は変動し、投資から得られる利益は上昇することもあれば、下落することもあり、投資元本を下回る可能性もあります。
 
よくある質問
 
LIBORとは?
 
LIBORは、長年にわたって銀行間貸出に使用されている金利体系です。オーバーナイトから12か月物まで、標準化されたさまざま期間の金利が使用されています。金利は、米ドル、ユーロ、スイスフラン、日本円などの主要通貨ごとに定められているパネル行の提示金利に基づいて算出されます。
 
LIBOR maturities
LIBORの期間
オーバーナイト 2か月
スポット・ネクスト^*^ 3か月
1週間
1か月
6か月
12か月
 
^*^スポット取引の決済日 (通常取引日から1~2営業日後) からその翌営業日まで

出所:M&G・ICE、2019年9月

最終投資家に与える影響は?

当社は、英国金融行動監視機構 (FCA) とイングランド銀行の監督下にある業界に属しており、市場全般に影響を及ぼす移行を可能な限り円滑にし、変動利付債など市場でのベストプラクティスを定めることを業界として取り組んでいます。移行時における、最終投資家が保有している商品の価値への影響は、無視できるか非常に小さいと現時点で予想されています。ただ、投資価値に大きな変化をもたらすような事態が発生しないという保証はありません。

投資目標がLIBORに連動している投資戦略の場合は、目標を変更する必要があります。変更は、ベストプラクティスに沿って行い、投資戦略の運用への影響を最小限に抑えることを目標にしています。投資目標の変更を行う際は、事前に該当戦略に投資しているお客様・最終投資家にご連絡いたします。

新たに導入される指標金利はIBORと何が違うのか?

IBORの代替として導入される金利は、大体の面においてIBORと同じですが、市場参加者が注意しなければならない重要な相違点がいくつかあります。

  • 提供される金利か実取引に基づいた金利か:IBORは、現在に至るまで、パネル行 (通貨ごとに銀行は異なる) から提供される金利に基づいて計算されています。代替で導入されるRFRは、実際の取引に基づいて算出されます。
  • ターム物かオーバーナイト物か:IBORレートは、取引時点から特定期間のフォワード・ルッキングな金利です。新たに置き換えられるRFRは、前営業日の取引に基づいて公表されるバックワード・ルッキングな金利です。したがって、新しい指標金利を適用する債券やローンの利息額を決定する新しい方式が必要になります。
  • この違いは業界にとって大きな課題です。この課題克服のために、「ターム物SONIA」金利を策定することになっており、現在多くの協議と作業が進行中です。
無担保貸付は「信用」ベースで供与され、債権保全のための担保を借り手は提供しません。担保付き貸付では、借り手が融資を受けるために価値のあるもの、すなわち担保を提供します。
 
投資家は何かアクションを取る必要があるか
 
ありません。当社は、すべてのお客様への影響を最小限に抑える方法で、LIBOR及び他のIBORからの移行を管理しています。
 

下記の「よくある質問」はこの問題について何が起きているかについて、そして、それが投資に与える影響についてご理解を深めていただくためのものです。ご参考になれば幸いです。

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