不動産:逆張り投資機会をうかがう

3 分間で理解する 22年4月29日

パンデミックは、物流などの一部の分野にはプラスに働きましたが、小売り、ホテル、レジャーなど、人々が集まることで成り立つような分野には大変厳しい結果をもたらしました。これは、一時的な営業停止を強いられ業績不振に陥ったホテルなどの分野に対して、他の投資家とは異なる逆張り投資の機会をうかがう投資家にとって購入価格の主導権を握る機会を生み出しています。

景気循環の谷に的を絞る

ホテル業界のデータ提供業者であるSTRによると、西欧の多くの観光地は、昨夏予想を上回る好調な観光需要の恩恵を受けましたが、それでも2021年における国際線到着者数は2019年を62%下回った水準にとどまりました1。ウクライナでの戦争勃発と燃料価格の上昇に伴う航空運賃の上昇により、海外からの旅行客がさらに落ち込む可能性があります。しかしながら、長期的なホテル業界の見通しに関しては、旅行や体験に対する人間の欲求の高まりにより、欧州のほとんどの観光都市において依然として有望視されています。西欧の多くの国では、内需の回復がけん引役となって、2023年までには、販売可能な客室あたりの収益(RevPAR) がパンデミック以前の60〜80%に回復すると予想されています2。欧州全体では、繰延需要により、平均客室単価 (ADR) は2019年を上回る水準にまで回復しています3

上記の状況を考慮すると、一部の国では、不動産市況のサイクルにおける安値圏で取引されている魅力的な物件への投資機会が現れてきており、このような物件は、欧州の観光市場が回復するにつれて、RevPARや物件価値が大幅に上昇する可能性があります。

質の高い不動産物件を発見する

リース方式のホテル (所有者から土地や建物を借りて、ホテル会社が一連の運営を担う方式) の賃料は安定していますが、リスクがより高い物件のなかには、マネジメントコントラクト方式 (ホテルの所有者と経営者が運営をホテル会社に委託する方式) でありながら、割安な水準で購入できる物件も存在します。パンデミック中、多くのホテル運営者は政府による融資や一時的な減税措置を受けることができましたが、すべての企業が無傷に終わったわけではありません。政府が財政支援策を徐々に打ち切るなかでローンの返済期限が到来しているため、財務体質のぜい弱な企業は間もなく苦境のピークに直面する可能性もあります。借入コストの上昇と新型コロナウイルス感染症に対する新たな制限が課される可能性から、事態がさらに悪化する可能性もあります。

ホテルの運営者にとって今後数年間は負債規模をコントロールしながらバランスシートを強化させることが優先事項になるといえるでしょう。キャッシュフローを必要とする運営者でもあるオーナーにとって、資産の売却は流動性確保の1つの手段です。企業レベルで投資を必要としている企業を特定することは、基本的に健全なホテルへの共同投資や、魅力的な価格での買収の機会につながる可能性があります。

『リース方式のホテルの賃料は安定していますが、リスクがより高い物件のなかには、マネジメントコントラクト方式でありながら、割安な水準で購入できる物件も存在します』


売上が固定費をカバーできず、一部のホテルは債務超過に陥り、債務者に返済することでしか黒字化できない状況にあります。これは、企業が本業に関連する資産・不動産を売却しなければならないことを意味する場合があります。このような状況に陥っている企業へのアクセスと問題を解決するには、企業構造の再構築の知識を有する専門家が必要です。

既存の取引関係を活用する

事業再建を迫られている創業者のなかには、この機に、資産を売却し、引退するタイミングを迎えている人もいます。このような状況では、市場関係者との既存の取引関係を活用することが特に重要となります。

M&Gは、2017年以来スペインの不動産に積極的に投資を行っていますが、メノルカ島にある4つ星ホテルの買収案件は既存の取引関係を活用した一例です。この案件は、パンデミックの最中に、ホテルを売却して新たな事業展開を模索していたオーナー一族と相対 (あいたい) ベースで魅力的な価格で買収することができた案件です。M&Gは、2020年10月にスペイン国内の投資家と共にホテルの所有権を取得し、設備を最新のものに更新し、エネルギー効率を高める包括的な改修工事を実施しました。2021年5月には営業を再開させ、旅行制限が解除され始めた夏期の稼働率はほぼ80%に達しました。

1 STR「STR/TE Market Forecast Assumptions」2022年2月
2 PMA、2021年10月
3 STR「5 key points on Europe hotel performance」2021年9月

投資元本は変動し、投資から得られる利益は上昇することもあれば、下落することもあり、お客様の投資元本は保証されません。

本項に記載されている内容は現時点におけるM&Gの見解であり、投資に関する推奨、助言に該当するものではなく、また将来の状況やパフォーマンスを予測するものではありません。

当資料は、一般的な情報提供を目的としており、金融商品取引業登録に基づく業務又は当社関連会社が組成するファンドの持分等の勧誘を目的としたものではありません。

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