不動産
2 分間で理解する 21年10月6日
メーカーは、製品を作るよりも、サービスを提供した方が利益を上げられることを昔から知っていました。例えば、航空エンジンメーカーのロールスロイスは、利益の大部分をエンジンの製造よりも、メンテナンスで生み出しています。現在、不動産業界においても、テクノロジーの進歩により、物件からサービスへの転換が進行中です。その傾向はパンデミックによって加速され、人々の生活や働き方に大きな変化が生じています。
自宅が仕事の場を兼ねるようになったことは、健康的で柔軟な生活に対する関心の高まりと相まって、不動産物件に対する要件も確実に変化しています。例えば、オフィスビルに必要な設備は単に机を置く空間だけであったものが、今ではサービスや体験を提供することが求められています。
ソウルのセントロポリスタワーは、働く人の創造性をかきたてながら、より良い状態で働くために必要な設備を備えています。共同作業スペース、エクササイズや 充電できるウェルネスエリア、 授乳室、屋上テラス、喫茶スペース、フードマーケットなどがあります。テナントの持続可能性に対する関心は高くなる一方で、リサイクルサービスや電気自動車の充電設備も重要な要素となっています。
そのため、不動産のオーナーはもっと現場を知る必要があり、顧客体験を向上させ物件のリターンを改善するために、最新のテクノロジーに注目しています。誰もいない部屋の照明を消すなど簡単な操作を自動的に行うセンサーはその一例です。人工知能を利用して、暖房、換気、空調を制御することもできます。セントロポリスでは空気清浄システムが状況に応じて作動します。
顔認識システムにより、セントロポリスでは、対象階層へハンズフリーで確実なアクセスを提供します。新型コロナウイルス感染症収束後は、このようなサービスがより広く普及する可能性があると考えます。従業員がデスクや会議室を予約できるシステムは、オフィスでの就労が復活するにつれ、新しい働き方を促進するのに役立っています。
単に物件を提供することから、サービスを合わせて提供することに移行するためには、オーナーがテナントのニーズを理解し、迅速に対応するための知識や能力を向上させる必要があります。テナントの役に立つテクノロジー、サービス、設備のすべてを1か所で体験できるプラットフォームに投資することで、物件がどのように使用されるかという基本的な情報を収集し、貴重なリソースを提供することができます。
オーナーは質の高い体験を提供するために、運営の専門知識を持つ戦略的パートナーと協働することで、このビジネスモデルを最適化することができます。また、強力なブランドを構築することで、サービス提供業者の競争力を高めることができます。
不動産事業にサービスを付加することによる相乗効果の必要性は、不動産市場のおいて避けて通れない長期的な傾向であり、テナントの獲得と維持のためには今後ますます重要な要素になると考えます。
本項に記載されている内容は現時点におけるM&Gの見解であり、投資に関する推奨、助言に該当するものではなく、また将来の状況やパフォーマンスを予測するものではありません。
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