インパクト投資・持続可能投資
3 分間で理解する 23年11月6日
地球温暖化を産業革命以前から1.5°Cの上昇に抑えるためには、温室効果ガスの排出を2030年までに45%削減し、2050年までにネットゼロを達成することがパリ協定で求められています1。世界全体での再生可能エネルギー容量の増加がこのネットゼロ達成に引き続き主要な役割を果たしており、今後も急速な成長が予想されています。2027年までには、世界の再生可能エネルギー容量は、中国全体の発電容量に匹敵する2400GWにまで増えると予想されます2。
従来の再生可能エネルギー以外にも、電気自動車インフラ、バイオ燃料、熱エネルギー脱炭素化、水素など、多くの高成長分野にビジネスチャンスがあります。
政府による支援も追い風になっています。欧州連合(EU)のREPowerEU計画3、米国のインフレ抑制法4、英国の10ポイント計画5を通じクリーンエネルギー政策への資金提供は推定6800億ドルに上り民間投資を大幅に動員することを目指しています。
REPowerEU計画は、ロシアのウクライナ侵攻に対する反応であり、エネルギー安全保障が重要な国際的優先事項であることを強調しています。
世界の人口が増加しテクノロジーが進むにつれて、すべての分野でデータが日常生活に欠かせないものになっています。デジタル化の進展で、技術開発を加速させ、経済成長を促進し、資源のより効率的な利用を可能にすることが見込まれます。
しかし、急速なデジタル化の中でも、欧州や北米といった先進国ではデジタルディバイドが根強く残っています。米国では、現在2400万人が高速インターネットにアクセスできず、その多くはデジタルに接する機会やデジタルリテラシーの格差が原因で高速インターネットに接続できないでいます6。
資金不足が大きいことを考慮すると、近年の政策対応はデジタルインフラ投資の追い風となっています。米国の「インフラ投資雇用法」は、サービスが整っていない地方部を中心にブロードバンド通信を整備するため650億ドルを拠出しています7。
5Gや生成AIといった最新のデジタル技術によって、これまでにない機会を生み出し、光ファイバーやデータセンター容量などのデジタルインフラに対する大きな需要につながっています。
世界人口は2050年までに97億人になり8、2080年代には104億人に達すると予想されるため、世界は限られた天然資源と益々頻繁になる異常気象の中で食料需要の増加に直面しています。
食料システムは全世界の温室効果ガス排出の3分の1を占め9、12兆ドルもの健康・環境・貧困に関連した隠れたコストを生じさせています10。こうしたコストの上昇と気候変動による脅威の増大により、食料生産者や小売業者は、持続可能な農業を可能にする解決策への投資を余儀なくされています。特に注目されているのは、精密農業や、外部環境から完全に独立した農業を可能にする技術分野です。
機関投資家の資本はまだ市場参入の初期段階にあり、大規模農業、環境制御型農業、新しい食品生産法など様々な投資機会があります。
気候変動に対処し、生物多様性を保護し、経済活動を続けていくためには自然生態系の保全や回復が不可欠であるという国際的な理解が広がっています。
世界のGDPの半分を超える44兆ドルもの経済価値創出は、自然環境と生態系サービスにある程度または強く依存しているため、自然損失によるリスクにさらされています11。
まだ初期段階ですが、政策立案者は補助金やカーボン・生物多様性市場を通じて民間投資を活性化させる方策を検討しています。現時点での収益機会には、環境再生型農業、森林管理の改善、マングローブ植林のような自然復元などがあります。
割り当てられた資金は現段階では限られていますが、自然生態系の保護・回復の取り組みが進むにしたがって投資機会の拡大が期待されます。
不動産資産のメガトレンドへの投資は、最大の世界的課題の1つに対処する機会を提供し、持続可能な未来を構築します。
いずれの市場も急成長していますが、収益確保には慎重な案件選択が不可欠です。主な課題としては、割高なバリュエーションで取引される分野を避けつつ、複雑で変動の激しいマクロ環境を乗り切ることが含まれます。堅固な投資プロセス、より深化した専門知識、そして最も有望な投資機会をとらえる柔軟なアプローチを備えた当社は、各テーマの中でこれら課題に対処し魅力的なリターンを実現する可能性があると確信しています。
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