欧州レバレッジドローン市場見通し2026年:3つのCに注意: Cockroaches、Collateral、Covenant Creep

10 分間で理解する 26年1月15日

2026年に入り、欧州レバレッジドローン市場は転換点に差し掛かっています。過去2年間で新規の総発行額は記録的な水準に達しましたが、リファイナンス(借り換え)とリプライシング(金利条件の見直し)が中心であったことから、純発行額ではかなり控えめとなり、プライマリー・スプレッドはコロナ危機以降で最も低い水準まで縮小しています。

ローン担保証券(CLO)に加えて、従来ローン市場でアクティブではなかった投資家からの需要を背景にテクニカルな下支えが継続しているものの、慎重な姿勢が求められます。格下げが増える一方で、バリュエーションの二極化はより顕著になっています。一方で、コーポレートクレジットの領域では、「ゴキブリ(隠れたリスクの比喩)」が現れ始めています。不正の兆候や内部統制のぜい弱さ、コベナンツの希薄化といった初期サインも見られ、システミックな危機を示すものでないとしても、信用リスクの選別をより厳格にする必要性を示唆していると私たちは考えます。

欧州バンクローン市場:2025年の振り返り

キャリーに支えられたパフォーマンス

16か月連続でプラスの月次リターンを記録した欧州バンクローン市場でしたが、2025年3月に初めて月次リターンがマイナスとなりました。この下落は、米国が鉄鋼、アルミニウム、自動車関連の輸入を対象に中国、メキシコ、カナダに対して関税措置を発動したことが背景にあります。その後10月には、自動車関連企業のファースト・ブランズとトライカラーの破綻に関する報道や、米国の一部地方銀行で不正が発覚したというニュースが引き金となり、再びボラティリティが高まり(同月も下落)、プライベート・クレジットへの懸念が強まりました。

“堅調なリターンとなった2025年の欧州バンクローン市場”
 

年が進むにつれ、こうしたショックがあったにもかかわらず、欧州バンクローン市場は再び勢いを取り戻しました。その後の四半期を通じて着実にリターンを積み上げ、2025年の欧州バンクローン市場は4.00%の堅調なリターンを達成しました。一方で、欧州中央銀行(ECB)による約100ベーシスポイント(bps)の利下げの恩恵をより直接的に享受した欧州ハイイールド社債のリターン(5.35%)には及びませんでした。とはいえ、インフレ率とベース金利がECBの目標水準に近づく中、長期デュレーションの固定金利資産が、今後も同様の追い風を享受する可能性は低いでしょう。不安定なマクロ経済指標と活発な新規発行が重石となり、セカンダリー市場のローン価格は2025年末時点で100bps強の下落となりました。結果的に、年間リターンは市場全般の価格上昇によるものではなく、主にキャリーに起因するものでした。

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新規発行とプライシングの動向:大型案件とスプレッドの縮小

2025年の欧州バンクローンの総発行額は2,350億ユーロを超え、金融危機(GFC)以降では、2021年のコロナ後の急回復期を除けば数字上では最高水準となりました。しかし、バイアウト、資本再構成、追加買収資金などを目的とした純発行額という面では、はるかに控えめな結果となり、それらは総発行額の3割未満にとどまりました。さらに重要なのは、純発行額は640億ユーロと、バイアウト案件が活況を呈した2021年のローン発行額を36%も下回りました。

“M&A市場の取引高は前年比で41%増加”
 

M&A活動の拡大は、新規ローン発行をけん引する非常に重要な要因です。2025年後半には、100億米ドル超の大型案件が急増し、M&A市場の取引高は前年比41%増の4.81兆米ドルに達しました(出所:「Mergermarket」2025年12月15日)。M&Aが高水準となった2021年に並ぶ規模となったことは、市場からも歓迎されました。こうした動きは、2026年のローン発行市場の見通しにおいて、前向きな先行指標となります。一方、これには史上最大のレバレッジド・バイアウト案件となったシルバーレイクとアフィニティー・パートナーズによる米エレクトロニック・アーツの550億米ドルの買収合意が含まれている点は留意すべきでしょう。

表面上は発行額が大きく増加したように見えますが、2025年の純供給額は限定的でした。新規発行のうち大きな割合を占めていたのは、ローンの満期延長、リセット、条件変更など、借り換えによるものでした。さらに、新規CLO の組成が600億ユーロ超と過去最高額を更新し、加えて630億ユーロのリセットが行われたことを踏まえると、テクニカルな要因によるネットの供給不足の状況が一段と顕著となりました。

このような要因により、プライマリースプレッドは年間を通じて約30bps縮小しましたが、それでも欧州のプライマリーマージンは米国より高い水準にとどまりました。一方、セカンダリースプレッドは約470bpsで横ばいであったことは、既存ローン全体に内在する信用リスクにばらつきがあることを示しています。セカンダリー市場でも、欧州は米国ローン市場に対してプレミアムを維持しています。

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米国と欧州の比較:Cockroaches(ゴキブリ)、Collateral(担保の毀損)、Covenant Creep(コベナンツの形骸化)

最近の報道では、ファースト・ブランズの破綻、トライカラーの財務悪化、さらには米国地方銀行での不正事案を結びつけ、プライベート・クレジット市場全体にシステミックな脆弱性があるかのようなストーリーが語られているケースもあります。しかし、これらのイベントは広範な構造的問題の証左というより、むしろ主には個別要因によるものと考えられます。ファースト・ブランズはガバナンスの欠如とファクタリング詐欺疑惑が背景にあり、トライカラーの問題はサブプライム自動車ローンABSに起因するもので、企業向けローン市場への波及とは性質が異なる消費者信用の問題です。また、米国地方銀行の商業用不動産ポートフォリオにおける不正も、別のリスク要因が背景にあります。

“欧州レバレッジドローンのファンダメンタルズは依然として健全である”
 

こうした関連性は主に心理的なものであり、プライべート・クレジット市場そのものに問題があるわけではないものの、デフォルトや不正が同時期に起きたことで投資家心理が揺らぎ、ノンバンクの貸し手への規制強化を求める声が高まっています。欧州レバレッジドローンのファンダメンタルズは、貸し手保護の仕組みが備わっていることから依然として健全です。派手なニュースの見出しよりも、個々の企業の信用分析や事業運営を一つひとつ精査する地道な分析の方がはるかに重要なことは言うまでもありません。

欧州バンクローンは歴史的に、米国バンクローンよりもデフォルト率およびディストレス率が低い傾向にあります。直近12か月では、欧州バンクローンの額面ベースのデフォルト率は約1.1%であるのに対し、米国は1.3%でした(出所:Pitchbook 2025年11月)。また、米国で行われているような、ノン・プロラタ・アップティアやドロップ・ダウンといった戦略的な負債管理エクササイズ(LME)をデフォルトに含めると、米国のデフォルト率は3倍の約3.7%へと跳ね上がり、米国の貸し手が直面する実質的な信用毀損環境が欧州よりもはるかに厳しいことが浮き彫りになります。

LMEは、緩い契約条件や低い議決要件を利用し、裁判所外で実行されることが多く、欧州よりも米国で広く行われています。欧州では、全貸し手が公平に扱われるプロラタ原則の慣行、取締役の義務の明示化、より保守的な担保の使途といった要素が、こうした手法に対する抑制として機能しています。一方、米国市場は参加者が多く競争が激しいため、最も借り手に寄り添う協力的な貸し手であることが、ディール獲得の鍵となる場合が少なくありません。これを裏付けるように、米国のコベナンツ動向は借り手寄りの傾向があり、EBITDA 調整の余地(絶対額)が大きく、またローン期間を通じてより広範な調整が可能となる(より緩い)ドキュメンテーションが一般的です。

“ディストレス比率の低さ、より強固な貸し手保護条項、そして規律あるコベナンツが、欧州バンクローンの相対的な優位性を支えている”
 

欧州では、事業の再構築に向けた手法とドキュメンテーションの枠組みが、より借り手と貸し手にとりバランスの取れた形で整備されており、コベナンツの形骸化や担保流出を抑え、より良い再建結果につながりやすい環境があります。また、英国会社法に基づくスキーム・オブ・アレンジメントやリストラクチャリング・プランといった手法は、裁判所の正式手続きを踏まずとも先行きが見通しやすく、債権者の権利を踏まえた再建の道筋を提供し得るため、米連邦破産法11条(チャプター11)より低コストで済む場合も多くあります。さらに、スポンサーや貸し手の間では、そもそも戦略的なLMEを良しとしない文化があります。こうしたディストレス比率の低さや強固な貸し手保護条項、そして規律あるコベナンツ運用が、欧州ローンの相対的な優位性を支え、当資産クラスへの投資妙味を高めていると考えます。

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2026年の欧州バンクローンの市場見通し

パフォーマンス

欧州バンクローンは、中期的には欧州ハイイールド社債(約5%)や米国バンクローン(約6%)を上回る約7%のパフォーマンスが期待できると考えています。また、欧州ではインフレ率とベース金利がすでに目標水準に近づいているため、2025年に見られたような長期デュレーションの固定金利資産が、ベース金利低下の恩恵を大きく受け続ける状況が続く可能性は低いと考えています。

グロスベースでは、欧州バンクローンは欧州ハイイールド社債に対して引き続き100bps超のプレミアムを維持しています。さらに、信用リスク(デフォルト率:欧州バンクローン3%、欧州ハイイールド社債5%、想定回収率:欧州バンクローン60〜70%、欧州ハイイールド社債40〜50%)調整後のプレミアムは約300bpsへと拡大します。同様に、米国バンクローンについてデフォルト率5%、回収率60〜70%(LMEの多さを踏まえるとやや楽観的な前提かもしれませんが)で調整すると、欧州ローンが提供するリターンプレミアムは約120bps1と、ほぼ倍増します。

これは非常に魅力的だと私たちは考えます。特に、シニア・セキュアード・ローンが持つ構造的な優位性(第一順位の担保権や、欧州ハイイールド社債と米国バンクローンとの格付けの差を覆すほど価値が高い資産の担保権)を踏まえるとなおさらです。

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3つのCに注意:Cockroaches(ゴキブリ)、Collateral(担保の毀損)、Covenant Creep(コベナンツの形骸化)

条件変更や借り換えが進んだことにより、ローン市場には自律的に調整する力があることが示された結果、「満期の壁」(近い将来に大量のローンが一気に返済期限を迎えるリスク)はもはや大きな懸念ではなくなっています。さらに、信用指標全体も改善しており、過去2年間でインタレスト・カバレッジ・レシオは2.8倍から3.5倍へ上昇し、総レバレッジおよびシニアレバレッジはいずれも5倍を下回る水準にあります。

しかし、平均値だけを見ると実態を見誤る可能性があります。市場の二極化は依然として続いており、63%のローンは額面(100)水準以上で取引されている一方で、約10%は90未満で取引されており、深刻とまではいかなくても、何らかの問題を抱えている企業が一定数存在することを示唆しています。さらに、格付けの「ダウングレード対アップグレード比率」は1.9倍から2.7倍へと上昇しており、2018〜2020年の平均(7.5倍)と比べれば、まだ大幅に低いものの、悪化傾向が見られます。

“引き続き規律ある運用と慎重な銘柄選択が極めて重要に”
 

90未満で取引されているローンのうち5%超がCCC格またはそれ以下の格付けであり、この比率は2024年の3%から上昇しています。CCC格に属する企業のデフォルトの確率は約50%程度とみなされています。こうしたリスクの高いグループに注目すると、現在のデフォルト率1.1%は今後上昇する可能性があり、フィッチ・レーティングス社による欧州ローン市場の予測値の2.5〜3%程度に近づくことも考えられます。こうした市場環境は、アクティブ運用のローンポートフォリオにおいて、規律ある運用と慎重な銘柄選択の重要性が一段と高まっていることを示しています。

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活況を呈するCLO市場:相次ぐ新規プレーヤーの参入

2025年の欧州CLOの新規発行は、多数のリセットや借り換えが行われたこともあり、活発な動きとなる中、発行総額は過去最高を更新し600億ユーロ近辺に達しました。2026年の見通しも引き続き良好で、この勢いは続くとみられます。現在、約150件のCLOウェアハウスが開設(CLO組成にむけたローンの買い付けが開始)されており、新規参入する運用会社の数も増加しています。

しかし、市場が本来持つ潜在力を十分に発揮するためには、次の二つの要素の進展が鍵となります。第一には、新規ローンの供給が着実に増加すること、第二には、CLO負債のコスト(即ちスプレッド)が低下することです。これらが実現すれば、CLOエクイティにおけるアービトラージ機会が拡大します。現在、CLO負債のプライシング、特にAAAトランシェは依然としてワイドな水準にとどまる一方、保有するローンのスプレッドは縮小しています。そのため、市場が持続的にバランスを保つためにはローンの供給量とそのマージンの拡大、もしくは負債コストの調整によってCLOエクイティ組成時の利回り差を確保できるようにする必要があります。

M&Aの動きが再び活発化?

2025年の新規M&A案件の増加に対する期待は高かったものの、プライベート・エクイティ(PE)主導の取引は、全体的なM&A動向と同様に、最終的には期待外れの結果となりました。年初は買い手と売り手の価格ギャップが縮小したことで、取引活性化の前提条件が整いつつありました。しかし、春先に米国政府が発表した関税措置は、将来のバリュエーション倍率に対する不確実性を生み、この影響が年内を通じて続くことになった結果、M&A活動を抑制する要因となりました。

“ローン市場には、単に取引件数の増加だけでなく、取引内容の多様化も必要”
 

さらに、2025年の低調なディールフローでは、ローン需要を満たすには不十分でした。現時点で市場が長期的に安定するには、新しくローンを発行する企業がもっと増える必要があります。理想的には既存のLBO企業による追加買収ではなく、新規バイアウト案件からのローン供給が望まれます。こうした供給が不足する場合には、他の市場で借りていた企業がローン市場で借り換える動きがその不足分を補う可能性があります。実際に2024年には、大手ダイレクトレンディングの借り手がシンジケートローン市場で借り換えるケースが多く見られました。

ローン市場には、単に取引件数の増加だけでなく、取引内容の多様化も求められています。2025年はTMT(テクノロジー・メディア・通信)セクター、なかでもソフトウェア企業が市場を席巻しました。同分野はすでに最大セクターであり、AIの影響を最も直接的に受ける可能性が高い領域でもあります。現在の株式市場は、限られたAI企業の株価が全体を牽引している状態です。2026年にAIバブルが崩壊した場合、二桁台のバリュエーション倍率を享受しているこのセクターこそが、最も大きな下落リスクにさらされる可能性があります。

とはいえ、2026年はPEファンドが抱える豊富なドライパウダー(未投資資金)の本格的な投資が進む見通しで、市場環境はより明るくなっています。さらに、複数資産もしくは単一資産いずれのケースでも「継続ビークル」(既存ファンドが満期を迎えた後、保有する特定の資産を新たに設立した別ビークルに移し替えて運用を継続する仕組み)の活用が広がっており、これによりPEファンドの満期に合わせた売却圧力への懸念が和らぎ、買い手と売り手のバリュエーションギャップを縮小しやすい環境が整いつつあります。政治的・財政的な不確実要因がこれ以上生じなければ、今年はM&A活動の増加が見込まれます。

AI設備投資:1兆米ドル規模の巨大市場

テクノロジー分野は、顧客サービス、人材マネジメント、サプライチェーン改善といった従来型のサブセグメントがバイアウト案件として特に好まれることから、長らくPEファンドにとっての定番セクターです。しかし、AIの登場によって、テクノロジー投資を評価する視点そのものが大きく変わりつつあります。エージェント型AIの影響はすでにビジネスサービス企業の評価に表れており、たとえばコールセンター企業では、将来的に事業自体がなくなることへの懸念から、2025年に企業価値(EV)倍率が半減しました。とはいえ、これは行き過ぎた反応である可能性もあります。AIエージェントが人間の仕事を完全に代替できるかは不透明であり、またこれらの企業がAIを活用して競争力を高める余地も十分にあるためです。

ローン市場で最も大きなセクターの一つであるソフトウェアセクターでは、構成企業の多くがERPなどの統合システムや、会計・給与計算といった会社の運営に欠かせない重要な業務を提供しており、しばしば特定の業界向けのサービスに特化しています。これらの分野は、AIがもたらし得る「不正確さやエラー」に対する抵抗力が高いと考えられることに加え、開発・導入にも複数年を要するため、AIによる急激な代替が起こりにくいと思われます。

“エージェント型AIの学習に必要なデータを自社で持つ企業は、AIの導入・活用を進める上で効率性の向上に大きな優位性を有している”
 

エージェント型AIが、ヘルスケアなど他の分野でもカスタマーサービスを代替するリスクは存在しますが、そこには依然として障壁があります。たとえば、従業員の反発、サービス品質の低下、複数年にわたる開発期間、そして規制対応などです。また、エージェント型AIの学習に必要なデータを自社で持つ企業は、AIの導入・活用を進める上で効率性の向上に大きな優位性があります。今後の取引では、レバレッジ水準がより厳格になっていること、キャッシュフローの安定性が明確に示されていること、関連セクターからの悪影響を受けにくいことなど、慎重に見極めるべきポイントが増えていくと考えられます。

今後5年間におけるデータセンター、電力、半導体といったインフラ需要を賄うために、1.5兆米ドル超のAI関連設備投資が発表されており、投資額はさらに増える可能性があります。シンジケートローン市場において、PEスポンサーが保有する企業から直接こうした需要が大きく生まれる見込みは限定的ですが、非投資適格債市場全体では、1,500億米ドル超の資金需要が見込まれており、これがローン価格に二次的な影響(スプレッドの拡大)を及ぼす可能性があります。また、ローン市場の間接的な恩恵を受ける分野として冷却設備、光ファイバー、建設サービスなどが挙げられますが、こうした企業は事業拡大に向けてレバレッジド・ファイナンス市場を利用する場面が増えるとみられ、ローン市場にとっては新たな案件供給につながる可能性があります。

AIを活用して業務効率を高めることに成功した企業は、利益率やフリーキャッシュフローの改善が期待され、その結果としてレバレッジの低減を進め、企業価値を長期的に守ることが可能になるでしょう。一方で、AIインフラに特化したしたようなテーマ性の高い案件で、過度に楽観的な成長見通しを前提にしているものは、巨額の初期投資に加えて、実行面のリスクや最終的な需要が読みにくいといった不確実性が重なる可能性があります。さらに、過度に調整されたEBITDAや緩い契約条件が重なるような案件については、投資対象から外すことが、健全なローンポートフォリオを維持するうえで欠かせない前提条件となるでしょう。

総括

欧州バンクローン市場は、良好な経済環境、健全なファンダメンタルズ、そしてテクニカル面での追い風を背景に2026年を迎えました。ただし、明らかに課題もあり、引き続き投資対象を慎重に選別する姿勢が求められます。条件変更や借り換えの進展により、「満期の壁」問題はもはや大きな懸念事項ではなくなり、主要指標も改善しました。また、新規マネジャーの参入に後押しされCLOへの高い需要は継続しており、ローン供給と負債コストのバランスが改善している間は、CLO市場を下支えすると思われます。

同時に、信用力の低い借り手の存在や、徐々に緩和するコベナンツ条件、AI関連の設備投資など特定セクターへ集中するリスク、複雑化する担保構造などにより、今後は案件ごとのパフォーマンスの格差がこれまで以上に大きく開く可能性があります。こうした環境下では、厳密なボトムアップの信用分析に加え、コベナンツや担保に対して規律ある姿勢を維持することが、今後1年間で6%超(ユーロベース)の魅力的なデフォルト調整後利回りの獲得につながるでしょう。

 

1. ここで示しているシナリオは、過去の値動きや現在の市場環境に基づいて将来のパフォーマンスを推計したものであり、将来の状況やパフォーマンスを予測するものではありません。実際のリターンは、市場の動きや投資商品を保有する期間によって変動します。

投資元本は変動し、投資から得られる利益は上昇することもあれば、下落することもあり、お客様の投資元本は保証されません。当資料に記載されている内容は現時点におけるM&Gの見解であり、投資に関する推奨、助言に該当するものではありません。当資料に記載されている将来予想に関する記述は、現時点において入手可能な情報に基づいたものであり、既知又は未知のリスク、及び不確実性を伴う前提条件に基づいて作成されており本質的に推測的なものです。M&Gは、これらの将来予想に関する記述が正確であること又はこれらが実現することを約束又は保証しません。実際の結果がこれらの記載内容と大きく異なることがあります。当資料は、一般的な情報提供を目的としており、金融商品取引業登録に基づく業務又はM&Gが組成するファンドの持分等の勧誘を目的としたものではありません。