住宅ローンと消費者ローンに投資する妙味

3 分間で理解する 22年4月28日

以前から魅力的な投資対象であった住宅ローン及び消費者ローンは、規制が変更された結果、ようやく機関投資家が投資できるようになりました。この資産クラスは、分散効果が非常に高いこと、法制面が整備されていること、良好な成長見通しを有すること、インフレに対する耐性が高いこと、並びに逆風環境のなかでも安定したキャッシュフローを生み出すことなど、多くの利点をもっています。

不動産担保ローンの起源は12世紀の英国に遡りますが、住宅購入の手段として普及したのは19世紀になってからです1。このような長い歴史がありながら、世界金融危機直後の規制緩和によって、ようやく住宅ローンと消費者ローンへの投資が機関投資家に認められたことは驚くばかりです。規制が緩和されるまでは、銀行が住宅ローン市場を独占していました。

住宅ローン投資はデータ依存度が非常に高い投資戦略です。情報を抽出、モデル化し、分析し、理解することが不可欠です』

膨大なデータは、整備された法的枠組みに加え、欧州と米国で28.5兆米ドルの価値を持つこの広大で多様なセクターの見通しに役立ちます2

「住宅ローン投資はデータ依存度が非常に高い投資戦略です」とM&G Investmentsのスペシャリティーファイナンスの責任者であるJerome Henrionは述べ、さらに「モデル化し、分析し、理解するための十分な情報を抽出することが不可欠です」と加えています。

「すべての過去データを使用します。ここでいうデータとは、ローンプールだけでなく、債務者やローンの返済履歴などに関する多くのデータを長期に亘り取得することを意味します。あるオリジネーターからローンを取得する際には、オリジネーターが供与した個別ローンに関するすべてのデータを入手します。これにより、これらのローンがどのような経済環境においてどのようなにフォーマンスを上げたか確認することができ、将来の動きを予測することができます。

多くの投資メリットがあるが、インフレに対する耐性もそのひとつ

ほとんどの住宅ローンは固定金利であり、一般的に債務者の手取り収入の30%~40%を返済に充てています。インフレになった場合、通常はインフレ率に応じて名目賃金が上昇します。したがって、固定金利の住宅ローンの債務者は結果的にキャッシュフローが良化し、返済負担が軽減されるのが一般的です。

住宅ローンや消費者ローン(自動車ローン、携帯電話の割賦購入や大学教育ローンなど)は満期が短くかつ住居などを担保とする性質がありますが、その住居価格は現在上昇しています。このため、住宅ローンや消費者ローンは、多くの機関投資家にとって理想的と考えられる、逆風環境のなかでも安定したキャッシュフローを生み出すという実績を有しています。

欧州と米国の違い

欧州の住宅ローンや消費者ローンの投資家は、米国市場に投資することに比べて以下の利点を享受しています。

米国では、歴史的に多くのローンが借入直後に売却されるのが通常であるため、ローンのオリジネーターは、これらのローンが長期的にどのようなパフォーマンスを上げるかについてほとんど関心がありませんでした。

また、米国では、担保物件処分後の未回収額に関し、債務者に支払いを命じる判決を制限する州が存在するため、債務者から回収できないことが多々あります。この点は欧州では異なり、担保売却代金がローン残高に達しない場合、貸手は債権回収のために債務者に対して法的措置を採ることができます。

さらに、米国では、市場金利がローン金利(固定)を下回る場合などにおいて、債務者がペナルティなしにいつでもローンの全額を期限前返済できるのが一般的であるため、投資家の投資残高が減少することがあり得ます。

ローンに投資する

現在では、投資家はこのようなローンへの投資が可能になりました。M&Gは1案件で数百・数千の単位でローンを取得しており、必然的に分散効果が非常に高いポートフォリオとなります。したがって、多くの投資家が苦手とする消費者への直接的なエクスポージャーを提供すると同時に、このセクターの優れた特性を享受することができます。

1 「The history of mortgages in the UK」Family Money、2017年7月14日
2 M&G plc、2022年2月22日

投資元本は変動し、投資から得られる利益は上昇することもあれば、下落することもあり、お客様の投資元本は保証されません。

本項に記載されている内容は現時点におけるM&Gの見解であり、投資に関する推奨、助言に該当するものではなく、また将来の状況やパフォーマンスを予測するものではありません。

当資料は、一般的な情報提供を目的としており、金融商品取引業登録に基づく業務又は当社関連会社が組成するファンドの持分等の勧誘を目的としたものではありません。

プライベートデット運用戦略に ついてもっと調べる

もっと見る