プライベートデット
3 分間で理解する 22年11月30日
インフレ率は、ここ数十年で見られなかった水準に急騰しており、経済のあらゆる面に影響を与え、実質的な購買力を低下させています。世界各国の中央銀行の対応が鈍いことでインフレ圧力は高まっており、企業は投入コストの上昇に直面しています。
世界銀行は、金利の上昇が2023年に世界的な景気後退を引き起こす可能性があると警告しました1。警告以降も、各中央銀行は急騰するインフレを抑え込むために利上げを継続しています。
エネルギー価格や労働力にとどまらず、ウクライナでの紛争、供給不足など、不確実性が高いことが、インフレの収束や成長の長期的見通し、そして政策立案者の対応に影を落としています。
このようにマクロ経済環境や市場が変化していることで、クレジット投資のポートフォリオに内在するリスクが変化する可能性について、以前にも増して強く認識する必要があることを示唆しています。マクロ経済の不確実性がパブリッククレジット市場全体に混乱を与え、資産クラス・個別資産ごとのパフォーマンスに格差が生じさせているなか、投資家のみならず、柔軟性と忍耐を持ち合わせた長期資金を必要とする借り手に好機が訪れる可能性があります。
「クレジット市場は現在、世界金融危機以降で最も厳しい時期の1つに数えられるほどの局面にあり、ボラティリティがさらに続く可能性があります。プライベートクレジットは、金利上昇の影響を回避したい投資家からの変動金利デットに対する需要の高まりの恩恵を受けています」とM&Gインベストメンツのプライベートクレジット部門の投資スペシャリストであるカレン・ラムは解釈しています。
「この不確実性を念頭に、M&Gは引き続き審査プロセスを遵守し、堅牢なボトムアップ分析、規律ある審査、適切な分散化に特に注意を払い、安定した長期的なリスク調整後リターンを投資家が享受できるようにポートフォリオの最適化を図ります」
この10年間において、世界的に投資家による利回り追求が強まっており、プライベートクレジットやオルタナティブクレジットへの配分を増加させています。Preqinのデータによると、プライベートクレジットの運用残高は2027年までに2兆3,000億米ドルに達するとしています2。
今日、プライベートクレジットの投資家は、低流動性 (つまり、複雑性) のリスクに見合うだけの十分なリターンを引き続き獲得できていますが、インフレの高進や世界経済見通しの不確実性へのパラダイムシフトが起こっていることを背景に、プライベートクレジットに投資する動機が1つ増え、優先度が上昇しています。これにはさまざまな理由があります。
プライベートクレジット (投資家が個人や銀行に直接融資し、そのローンが公開市場で取引されない) は、代替的で差別化が図られた資産の保有を可能にする資産クラスであり、多くの利点を持ち合わせています。代表的な利点は、リスク調整後リターンの向上、信頼度の高いインカム収入源、コア資産の多様化です。このことは、プライベートクレジットがより広範なポートフォリオでさまざまな役割を果たす可能性があることを意味します。
プライベートクレジットは、投資家がもつさまざまなリスク・リターン要件に対応可能な、資本構造全体にわたる幅広い投資機会を提供します。
伝統的な資産クラスと異なり、ほとんどのプライベートクレジット案件は、モデルを用いて価格を算出するため、グローバル市場の値動きに伴う価格変動リスクが小さく、また、満期保有が一般的であるため、本質的にグローバル市場の動きの影響を受けにくい資産クラスだと考えます。
ダイナミックで分散化が図られているプライベートクレジットのユニバースは、従来の資産配分に比べ、現在の厳しい環境に対して強い耐性を備えているとM&Gは考えています。
投資元本は変動し、投資から得られる利益は上昇することもあれば、下落することもあり、お客様の投資元本は保証されません。
本項に記載されている内容は現時点におけるM&Gの見解であり、投資に関する推奨、助言に該当するものではなく、また将来の状況やパフォーマンスを予測するものではありません。
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