汎欧州コア不動産戦略の運用規模は米国のメガ戦略の規模に追いつくことは可能か

2 分間で理解する 20 9月 21

汎欧州コア不動産戦略は、この15年間で運用資産を大きく増加させてきましたが、今後さらなる成長の余地があると考えています。

汎欧州コア不動産戦略の運用資産残高が大きく増加している背景

汎欧州コア不動産戦略の運用資産残高が増加している要因のひとつは、欧州連合(EU)単一市場と単一通貨の恩恵により、投資家の為替リスクが著しく低下したことです。また、世界金融危機を受けて、低リスク選好の投資家の需要が増加していることも、汎欧州コア不動産戦略を後押ししている要因です。投資家は運用実績のある、限られた運用会社が運用する大規模でリスク分散が図られている戦略を選好する傾向があります。その結果、投資家のニーズに合致した一部の戦略の運用資産残高が飛躍的に増加しました。

米国の不動産投資戦略にあって、欧州の戦略にないもの

汎欧州コア不動産戦略の多くは、既にかなりの運用規模に成長しており、残高が増加する傾向にあります1。しかしながら、その運用資産残高は米国の同種戦略と比較すると見劣りします。数値で表すと、米国における運用資産残高の上位3戦略の合計が1,100億米ドルであるのに対して2、欧州の上位3戦略の合計は150億ユーロにすぎません3

『汎欧州コア不動産戦略が、米国の「メガ」戦略と肩を並べる規模になるのはかなり困難と思われますが、今後10年間で運用資産残高が2倍になると推測できる相応の理由が存在すると考えています』


米国の不動産市場は、機関投資家が保有する比率が欧州に比べてはるかに高く、また、集合住宅から病院まで、投資可能な物件が多岐に亘って存在することがその主な理由です。さらに、米国は1つの言語を話す単一の国であり、開発計画に対する社会制度も地域間で大きな違いがありません。一方、欧州市場では、国ごとに事情が異なるため、それぞれの国に関する深い知識が必要です。

欧州の投資戦略の将来

欧州不動産市場における機関投資家の保有比率は今後も上昇し、その結果、コア戦略に新たな投資機会が生じるとM&Gは考えています。欧州域内での生産が拡大することを受けて、より多くの物流施設が必要となる一方、住宅不足を緩和するために、より質の高い賃貸住宅が必要となると予想されます。

そしてもちろん、コア戦略が投資対象とする不動産の種類にも変化があると考えます。15年後には、コア戦略に占めるオルタナティブ不動産の割合が高くなると考えられ、欧州の資産運用会社は、米国の資産運用会社と同様に、学生寮のような運営のノウハウが必要な物件を所有することに徐々に慣れていくのではないかと考えています。

汎欧州コア不動産戦略が今後も成長すると考えられる背景

しかし、汎欧州コア不動産戦略が現在到達している規模では、ポートフォリオの分散が可能であり、運用資産残高が大きな汎欧州戦略を効率的に運用できることを証明しているとM&Gは考えています。モメンタムが十分に醸成されている現在、ポートフォリオの分散効果を重視する投資家のニーズと、海外不動産資産へのアロケーションが今後も拡大すると予想される状況を背景に、汎欧州コア不動産戦略の規模は今後も持続的に成長すると考えています。

汎欧州コア不動産戦略が、米国の「メガ」戦略と肩を並べる規模になるのは難しいですが、今後10年間で運用資産残高が2倍になると期待できる相応の理由が存在すると考えます。

1. 総資産総額の合計:欧州非上場不動産投資協会(INREV) 『欧州ODCE四半期インデックス』2021年9月

2. 総資産総額の合計:米国不動産投資受託者協会(NCREIF)『米国ODCEインデックス』

3. 総資産総額の合計:INREV 『欧州ODCEインデックス』

投資元本は変動し、投資から得られる利益は上昇することもあれば、下落することもあり、お客様の投資元本は保証されません。

本項に記載されている内容は現時点におけるM&Gの見解であり、投資に関する推奨、助言に該当するものではなく、また将来の状況やパフォーマンスを予測するものではありません。

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